カテゴリ:マンション管理士 お仕事日誌

マンション管理士として行っている日々の業務内容を、守秘義務に抵触しない範囲でご紹介いたします!
重松マンション管理士事務所 神奈川オフィスが、あるいは、マンション管理士が実際にどのような実務を行っているか、少しでも知っていただければ幸いです♪

収集日でないのにゴミを出すのは…だあれ?!

川崎、横浜のマンション管理士横倉啓子です。

年末年始のゴミですが、ごみと資源物の収集を年末年始お休みする自治体が多く、収集日程が日常収集と違って大変少なくなります。
でも各家庭では大掃除をして不要になった粗大ゴミ、書類、お正月のおせち料理の準備で出た生ごみ等、普段の数倍もゴミの量が多くなります。
我が家の年末のゴミを年始の収集日までうちのどこに保管しておくか、毎年頭を悩ませています。
自分の家のゴミを自治体の予定の収集日まで自宅で保管できずに、誰が出したかわからないと勝手に思い、収集されない集積所に出されたそんなマナー違反のゴミが、カラスやネコの餌食になり、新年早々方々のマンションのゴミ置き場が散乱している光景を目にします。
管理員さん、掃除の人、管理会社もお正月休み…収集されるまでその間ゴミを出したマナー違反の居住者は知らん顔…
お正月早々の仕事始めに、殆どの管理員さんや掃除員さんがマナー違反の居住者の年末年始のゴミ出しが何とかならないかということを毎年訴えます。

日常でもゴミ問題に悩まれている管理組合の話をよく耳にします。理事会でもゴミの出し方のマナーについて検討している管理組合はとても多いです。
ゴミ出しは、ルールに則りきっちりと行いたいものです。が、残念ながらルールを破る人はマンションに何人かは居ます。
・ゴミの分別をしない、
・ゴミ出しの曜日を守らない、夜にこっそり出す、
・粗大ゴミの手配をせずに出す、
・ネットを被せずに投げ捨てる、などなどです。

指定された時間曜日や分別に違反があると、ゴミ置き場にゴミが長時間放置されることになります。
ゴミ袋の口が締まっていない、ゴミ袋に穴が空いているなど、ゴミの出し方の不備などにより、以下のような問題が発生します。
・野良猫やカラスによるゴミ散らかし
・ゴミ置き場の汚れ・悪臭
・ペットボトルなど強風による散乱
・ミックスペーパーなど可燃ゴミは深夜などに放火される可能性があります。

良いマンションかどうかを見分ける方法の一つに、共用部分である玄関ロビー、廊下、ゴミ置き場が汚れていないかなどを、チェックすることが挙げられます。
自分のマンションの管理が悪くならないためにもルール違反者に対する、ごみ収集日分別マナーなど知らなかったと言わせない様な、管理組合さんの粘り強いスピーディーな対応が必要です。
ゴミの散乱の対応を管理員さんに無理矢理お願いしても、その皺寄せで管理員さんが余計なゴミ対策作業に手間どられ、本来の管理員業務に従事する時間が削られてしまうため、最終的にはマンション管理の質の低下を招いてしまうことになります。
ご自分の大切なマンションの資産価値の低下につながりかねません。

ゴミの分別ルールは、各自治体によって異なります。また近年、ゴミ出しルールや収集日などが短期間で変る自治体もよく耳にします。自治体の多くは、ホームページにゴミ出しルールを掲載していますので、まずは自分の地域のゴミ出しルールがどうなっているか、きちんと確認しましょう。
最悪の場合、地方自治体の定めにより、ゴミの分別が厳しく義務づけられているところでは、ルールがきちんと守られないとゴミの収集を拒否されたりするケースもあります。ゴミが長期間収集されないと衛生環境の悪化まで招いてしまうことになります。

管理組合としては、意識を高めるためにも、ゴミ置き場には、ルールなどを張り出しておくとよいでしょう。 各家庭に分かりやすい回覧も必要になってくるでしょう。

・ ゴミ出しの対策としては、根気よく掲示等で注意喚起を行う。
・ 悪質な酷い出し方のゴミについては写真を撮りそれを掲示する。
・ ゴミの分別方法について作成した掲示物を掲示する。
・ ゴミ置場に注意喚起の掲示をするだけではなく、全館に回覧をする。

一部の人のルール違反でも全体に迷惑がかかることを認識し、一人一人が意識してルールを遵守しましょう。

マンションコミュニティ形成支援 CASE1

こんにちは 

川崎・横浜・東京で管理組合のみなさまと共に活動中のマンション管理士 横倉啓子です。

千葉県にあるマンションの管理組合の理事長様から、防災訓練の後で、紅茶を使って懇親会を開きたいとのお話を頂き、『コミュニteaパーティー』を開催しました。会場はマンションの集会室でした。

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組合運営費で限られている予算の中で、組合員の皆さまのコミュニティ作りをお手伝いをする為に、紅茶をツールとした防災訓練と絡めたメニューを企画しました。

当日は予想以上に参加者が集まり、中には最近引っ越しされて来たばかりの方もご家族で参加されたりして、大人子ども合わせて30名近い方が参加して下さいました。

懇親会の時間は1時間程度。
今回の特徴は、防災訓練後というセッティングを兼ねて、組合員が用意するカセットコンロ、ペットボトルのお水を使用し、ティーカップは各々マイカップを持参して頂きました。

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『コミュニteaパーティー』開催後も組合の方と何度かお会いしていますが、今まではコーヒーばかり飲んでいたけれど、『コミュニteaパーティー』をキッカケに、紅茶も飲むようになった、とお話して下さる方もいらっしゃいます。

理事長様、参加して下さった管理組合の皆さん、管理会社の担当者さん、ありがとうございました。

横倉マンション管理士事務所では、オリジナル『コミュニteaパーティー』のレシピ作成してご利用頂いています。

『コミュニteaサービス』に関してはこちらをご参照ください。

『コミュニteaサービス』をご希望の管理組合様はこちらからお気軽にご連絡ください。

 

 

マンションの防災とコミュニティ

こんにちは  川崎・横浜のマンション管理士 横倉啓子です。IMGP3954

11月16日 狭山茶で有名な、緑が多く環境の良い入間市で「マンションの防災とコミュニティ」をテーマに講演をさせていただきました。駅前から会場に向かう道の両サイドは、多数の団地が建っていました。入間市は団地が多いそうです。
会場には約40人の方々にお集まりいただきました。ありがとうございました。

防災のお話をさせて頂くときの3つのポイントは、
1.防災の基本…自分の命を守る!家族を守る!自分の命を守る。そのためには、水や食料の備蓄だけでなく、どのような準備が必要なのか!!

2.行政、消防、自衛隊、管理会社、管理組合等が自分を助けてくれるという自分に都合のよい期待をもって生活をしている方がいますが、自分の命・自分の家族は自分でまず守るのが基本です。

3.そして阪神・淡路大震災の時に一番多く生き埋めの人や閉じ込められた人を救出したのはだれなのか?その答えは役所の人、救助隊ではなくて、「身近なご近所の人」です。

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◎マンション内コミュニティで注意しなければならないこと…
人にはそれぞれな事情があります。人間関係が苦手な人。身体的に大変な人。他人には言えない問題を抱えている人。他人とあまり接したくない人。顔が全員違うように感覚考え方も違います。
でもマンション内の付き合いを避けている方でも、いざというときには助けが必要になったり、反対に助ける立場にもなります。
難しいかもしれませんが相手の事情をさりげなく察し「共感」「お・も・い・や・り」が持てるような関係にしたいです。

昔のような濃い関係のコミュニティですが、実は私もちょっと苦手です。
普段はあいさつ程度でも、ご近所だからあまりプライベートには踏みこまず、さりげなくほどよくお互い様感覚の関係の種を植え、芽が出て育んでいくことこそ、マンションという大切な財産の価値を高めることを目的とする管理組合が管理・運営をしていくうえでのキーワードと考えます。

マンション管理基礎セミナー(入間市開催)で講演します

こんにちは
川崎・横浜のマンション管理士  横倉啓子です。

紅葉が深まる11月16日(土)に
主催:埼玉県マンション居住支援ネットワーク、埼玉県、入間市、狭山市、公益財団法人マンション管理センター

マンション管理基礎セミナーを開催いたします。

わたくしは講演2で、『マンションの防災とコミュニティ』
 ~コミュニティの種をまくことから~のテーマで講演を致します。

場所:入間市産業文化センター 2階集会室
日時:11月16日(土)13:00~16:20
 
くわしい内容は↓

http://saitama-mansion.net/semina-2.html

興味と時間が一致した場合は、下記にお申し込みください。

申込先:埼玉県庁 住宅課 TEL:048-830-5573

会場でお目にかかることを楽しみにしております。

簡易スカイチェアーによる目視、打診調査の立ち合いをしました【大規模修繕工事】

こんにちは マンション管理士の横倉啓子です。

重松マンション管理士事務所のヘッドオフィスが管理組合サイドの大規模修繕工事コンサルタントとして契約しているあるマンションは、現在設計管理方式で進めています。
臨時総会を開催して設計会社を決め、先日建物調査の簡易スカイチェアーによる目視、打検調査を実施したので、私が立ち合いに行ってきました。2013年の7月は連日の猛暑でしたが、調査の日は、暑くなく雨にも降られずほどよい気候で調査が実施できました。

「自分の命がかかっていますし自己責任で準備します。」

作業前、今回の簡易スカイチェアーによる目視、打検調査を担当された方に直接お話を伺うことができましたので、簡単にご紹介いたします。

「一番高い建物の作業は何階でしたか?」→「20階からです。」

「作業準備は必ずご自分でなさるのですか?」→「はい。必ず100%!自分で準備します。他の人に絶対に任せたりしません。自分の命がかかっていますし自己責任で準備します。」

「この100%ご自分で準備されても今までアクシデントはなかったですか?」→「いきなり強風が吹いてきて・・・自分で操作不能になった時は、ほんとに怖かったです。」

・・・当事者でない第三者だと、ついつい、めったに事故が起こらない=安全、のような錯覚を起こしてしまいますが、『完璧な自己責任の仕事をする』『自分の身(命)は自分の責任で守る。』を実践している方々の言葉を直接聞くと、決して安全なのではないと再認識させられます・・・

大規模修繕工事そのものも危険な作業が伴いますが、快適なマンションライフは、こうした危険な作業に従事される方々の上に成り立っていることをその都度実感いたします。

簡易スカイチェアーによる目視、打検調査の様子

屋上での準備から地面に着地するまで55分かかりました。

調査結果は後述しますが、実際にどのように調査を行っているのか、まずは調査の一部始終をご覧ください。

▼道具を持って屋上へ向かう様子(左)と担当者と図面のチェックの様子(中央)
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▼高所調査の道具
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▼丸環に親綱ロープを通している様子
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屋上に設置している丸環にしっかり親綱ロープを通し張り、その親綱に安全帯を掛けて取り付けます。丸環のサイズφ50で耐荷重200kgです。数個に親綱を張れば荷重は分散されます。

▼ロープ(左)とスカイチェアー(中央)
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▼命をつなぐ結び目(左)。避雷針につなげて(中央)、スカイチェアーのセッティング(右)IMGP3681  IMGP3683  IMGP3684

▼スカイチェアーが繋がりました。風にユラユラ揺れています。
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そして・・・緊張の瞬間!!
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降りました! 慎重におしりをスカイチェアーに乗せて、ゆっくり・・・座れました。
大丈夫だろうと思いながらも、やっぱり力が入ってしまいました・・・

▼ロープ操作の微調整をしています
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▼打診棒でタイルの浮きや亀裂を調べ(左)、打検調査後浮き亀裂のメモをしています(右)IMGP3695  IMGP3697

▼打検→メモの繰り返しを最上階から実施しています
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▼調査を終え無事着地しました
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タイルの補修等の実数精算項目の予想数量は、どのようにして算出し、精算数量の確定はどのようにして行うのでしょうか?

設計の段階では、足場をかけての詳細な調査ができないため、タイルの浮きやひび割れなどの数量は、どうしても歩行(打診棒が届く範囲)や目視できる範囲の箇所を調査した結果で想定しなければなりません。設計事務所の考え方にもよりますが、第1回目の大規模修繕工事の場合、タイルの総面積の0.5%~1%程度の数字を入れて見積(予算金額)を算出することが多いようです。そして、この工事項目は、契約上は「精算工事」といわれ、実際に施工した数量に応じて工事完了後に増減精算を行い、費用を支払うことが一般的です。

施工会社が決まり工事が始まると、壁全面に足場をかけて全てのタイル面をチェックし、実際に浮いている個所やひび割れのある個所を調べて枚数を確認することになります。ところが、その数量(実数)が当初の設計数量を大幅に超えているときは問題となることがあります。東日本大震災以降に大規模修繕工事を行うマンションでは、それ以前に工事をしたマンションと比較してその傾向が強いようです。(重松マンション管理士事務所の実績です。)

一般的には、大規模修繕工事の予算を総会で承認してもらう際には、工事金額以外に、総工事費の5~10%の金額を予備費として計上します。上記で述べた数量の増加や、やむを得ない仕様の変更等不測の事態に対応できるようにしておきます。しかし、タイルの浮きやひび割れが当初の予想を大幅に上回ったときは、総会で承認してもらった予備費を充当してもカバーできないことがあります。

そうなった場合には、

① 臨時総会を開催して予算の追加措置を講じる。

・修繕積立金等、資金に余裕がある場合は可能です。

② 臨時総会を開催して金融機関から資金を融資してもらう手続きを行う。

・資金に余裕がない場合はこのような方法もあり得ますが、条件次第では融資を受けられない場合もあります。
・また、融資が受けられることが確定するまでの間、工事を進められないことにもなりますので、リスクが高すぎてお勧めできません。

③ 修繕の仕様を変更したリ、優先度の低い他の工事を取りやめたり縮小したりして、何とか費用を捻出する。

・資金不足の場合は、この方法を取らざるを得ません。
・対応や提案をする、設計事務所や工事会社も大変ですが、理事会や修繕委員会の負担も相当なものになります。

設計の段階で建物調査の際に簡易スカイチェアーを使用し、歩行や目視に加え、より多くの部位の打検を行うことにより、設計数量と実際のタイルの浮き等の数量の差を少なくすることが可能となれば、前述のようなトラブルを回避することができます。このような調査を積極的に取り入れている設計事務所はまだ多くないようですが、さほど金額がかかるわけではありませんので、今後は重松マンション管理士事務所ヘッドオフィスでも積極的に取り入れていこうと考えています。

簡易スカイチェアーによる目視、打検調査の結果

簡易スカイチェアーによる打検結果タイル劣化数量の総合計です。

1)45三丁掛け磁器質タイル(14階から3階まで)

⇒打検枚数は34,807枚 浮き559枚(1.61%) ひび割れ430枚(1.24%)

2)二丁掛せっ器質タイル(5階から1階)

⇒打検枚数は5,866枚 浮き246枚(4.19%) ひび割れ93枚(1.59%)

3)調査結果からわかる劣化の度合い

一般的な浮きや亀裂0.5%~1%以上という数字を比較すると、45三丁掛け磁器質タイルは浮き1.61%、二丁掛せっ器質タイル4.19%の結果から劣化が多いことが予想できることがわかりました。

消防設備点検の立ち合いをしてきました

梅雨が明けたと思ったら、日本列島中が猛暑で悲鳴を上げだした7月8日
40戸のファミリータイプのマンションで、消防設備点検作業があり、熱中症にならないように十分な水分補給をしながら現場立ち合いをしてきました。

▼各階通路の粉末消火器
各階通路の粉末消火器
▼玄関ホール防火戸と煙感知器
玄関ホール防火戸と煙感知器
▼連結送水管放水口
連結送水管放水口

避難ハッチが開いて避難梯子が下りてきました

避難ハッチ 避難ハッチ1 ハシゴ9

ベランダのハッチ周りに居住者の私物が多数置いてありそれをよけてハッチを開けてハシゴが下りてくるまでに少し時間がかかりました。

非常時にはこんな悠長なことはできないので、助かりたいと思ったらやはりベランダのハッチ周りには私物は置かないほうがいいですね。

ハシゴ2 ハシゴ降りてくる1 ハシゴ降りてくる

160㎏の巨体の人が乗っても大丈夫なハシゴです。

▼煙感知機用ガス式試験機器
煙感知器探査器1
▼器具の中はレンコンの輪切りような形をしています
煙探知機の中
煙探知機2 煙探知機検査1 煙探知機チェック

煙を感知すると管理員室の防火シャッターが下りてきます。

今回の点検では正常に作動し、シャッターが下りてきました。

防火シャッター 防火シャッター3

シャッターを巻き上げるときは、手動で元に収めます。

▼防火戸の作動チェックです。防火扉チェック2 ▼正常に作動し防火戸が閉まりました。
防火扉閉まる
非常灯LED交換2   非常灯LED交換後1

LED非常灯が一つ切れていたので交換しました。

▼連結送水管送水口
連結送水管送水口
▼連結送水管放水口
連結送水管放水口
▼内部
内部

築40年の都内マンションの耐震補強工事の見学に参加しました

都内築40年のマンションの耐震補強工事見学会に参加しました。

敷地の余裕がない都会での耐震補強に向いているピタコラム工法によるものです。

     

ピタコラム工法とはSRCの補強フレームを現場打ちで作成し取り付ける、鋼板内蔵薄肉コンクリート部材による外付け耐震補強工法です。 この工法は(財)日本建築防災協会の技術評価を取得しています。

IMGP2949 IMGP2948

まず既存柱面から10cmの位置に打設されたアンカーに鋼板(プレート)を取り付けます。さらに、プレートの周囲に楕円形のフープを一定間隔で配します。これらを包みこむように約20cm厚みのあるコンクリートを打設して工事の終了となります。建物内部に立ち入ることなく耐震補強工事を行う、というのがピタコラム工法の基本構造です。