こんにちは 川崎・横浜のマンション管理士 横倉啓子です。
東京消防庁本所都民防災教育センター(本所防災館)に体験型防災訓練をインストラクターに案内して頂きながらのツアー方式防災体験をしてきました。
近年の異常気象による短時間に一気に水位を増す「局地的集中豪雨」「ゲリラ豪雨」は、地下室を持つ住宅にも危険がたくさん潜んでいます。
地下鉄に流れ込む泥流や、道路のマンホールから吹き上げる下水などに見られるように、「下水排水能力」はこのゲリラ豪雨の水量にはとても追いつけていません。
そうなると当然、一般の住宅の半地下室や地下室にも、雨水や泥流が流れ込む危険性が高まります。
「都市型水害コーナー」では、局地的集中豪雨や津波に関する映像と、
地下室に浸水した場合を想定して、自分で水深40㎝、30㎝、20㎝、10㎝の中から選び、
水圧がかかっているドアを時間内で開放できるかどうかの体験です。
▲体格の良い男性が、浸水40㎝のドアを開けてみせる!チャレンジしましたが、開けられませんでした。
▲私は浸水20㎝を選び、ドアを開けることができました。
想像をしていたよりはるかに凄い水圧でした。
短時間に一気に水位を増す「局地的集中豪雨」「ゲリラ豪雨」は、
地下ピット型の機械式駐車場等を設置しているマンションにも被害が生じます。
管理組合としてどうしたら良いでしょうか。
「もしもの時の防災行動力を身につける Vol.2 ~都市型水害の体験から~」として、
今回は豪雨(水害)時の対策について書かせていただきます。
車と機械式駐車場を水没・浸水から守る(豪雨・水害対策)
① 日常から排水ポンプの保守点検をきちんと行う
機械式駐車場には、敷地内の雨量の設計計算に基づいて、排水ポンプが設置されています。
排水ポンプは一般に、ポンプごと水中に沈めて排水する水中ポンプが使われます。
当然ですが、管理組合は機械式駐車場内に設置している排水ポンプの保守点検を、きちんと行わなければなりません。
機械式駐車場の定期保守点検時には排水ポンプの作動確認も行い、その後点検報告書が管理組合に届きます。
報告書に不具合が指摘されていたら管理組合は適切な対応を取らなければなりません。
尚、ポンプ設置後の年数や運転状況にもよりますが、
排水ポンプの場合ポンプのオーバーホール等の修理をするよりも、
新しいポンプと交換をするほうが割安になることも有ります。
費用対効果を考えて検討して下さい。
排水用水中ポンプの耐用年数は、運転頻度にもよりますが、5年位と言われています。
ちなみに、水道用給水ポンプの耐用年数は10年~15年位と言われています。
② 各マンションで豪雨対応・ルール等を決めておく
台風などあらかじめ大雨が予想できる場合には、事前に自動車を移動しておくなど、各マンションで対応ルールを決めておくことが必要です。
あるマンションではエントランスに、「大雨が降り出したら水没の恐れがあるため、該当者は車の移動をお願いします。」等の貼り紙で注意喚起をしています。
③ ご自身の車は自分で守る!!
きちんと管理組合が維持管理をして排水ポンプが動いていても短時間に急激に豪雨が降った場合、
地下ピット型の機械式駐車場では排水ポンプの能力が間に合わず下段の自動車が水没する危険性があります。
大切な車が冠水被害に遭った場合、集中豪雨は天災とみなされますので、
よほど致命的な管理や施工の不具合が無い限り、ご自身の「車両保険」でしか対応ができません!!
さいごに、管理組合は日ごろから保守管理をきちんと行い、
機械式の地下駐車場を契約している方は、周りの状況をよく確認の上、更に保険の確認をして下さい。