Los Angelesコンドミニアム視察旅行記 Vol.1〜基礎知識と新築・中古の売買状況


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こんにちは、川崎・横浜のマンション管理士 横倉啓子です。
6月末、アメリカのカリフォルニア州ロサンゼルスに夢設計様主催の不動産環境視察に行って参りました。

管理組合や管理会社におけるマンションの管理の実態を含めたマンション事情を視察するためです。
まず、アメリカでは日本で言う分譲マンションのことを「コンドミニアム」(condominium)、賃貸の集合住宅のことを「アパート」と呼びます。
今回の視察旅行では、日本からロスに渡って30数年、現在「リアルエステート・ブローカー」(Real Estate Broker)(※1)という仕事をされている高橋とし子さんにロスのマンション事情を教えて頂くとともに、現地のコンドミニアムを案内して頂きました。
今回の特集はロサンゼルスのトーランス地区とアーヴァイン地区の限られた場所ではありますが、
日本のマンション管理とは少々違う実態等を含めたコンドミニアム視察のリアルな体験記をお話させて頂きます。

リアルターとし子さん      IMGP3293      高橋とし子さん

アメリカのマンション事情

新築・中古を含めたコンドミニアムの現在の売買状況についてご紹介しますと、
2012年末から不動産市場が急激に活性化したため、売り出した物件は数日で購入者が決定し、30~45日以内にローン会社が査定を行ない、融資が下りて、すぐに売却完了という状況だそうです。この活性化は2007年以来とのことです。
この活性化には2つの理由があると考えます。
まず1つめは、アメリカ人の不動産に対する考え方です。
日本人の不動産のイメージは自宅用、永住用というものが多く、不動産購入は人生における一大イベントであるケースが多いと思います。
それと異なりアメリカ人は不動産を投資対象と考え、頻繁に売買をしており、平均不動産所有期間は1件の不動産につき約7年となっています。
つまり7年ごとに買い替えをしているということです。
アメリカ人は自分の資産を増やすためには、金利の安い貯金をするよりも、お金が貯まればローン会社から融資を受けて不動産投資をするそうです。
2つめの理由として、アメリカは世界の先進国でも唯一、人口が急増しており、ベビーブームであった現在のシニア世代に加え、
新たな世代や、移民人口も増加しています。ですから、現在でも住宅が不足している状況で、今後の不動産需要も長期的に上昇が期待されています。
新興住宅地域では常に新しい魅力的なコンドミニアムが建てられているので、中古物件は比較的不利ではありますが、
既に土地が開発された地域では新築物件数が少ないため、新築・中古の違いに関わらず、環境、立地、地域コミュニティ、雰囲気、その他室内のリフォームやインテリア等の品質が売買状況を左右しています。
アメリカでは、不動産売買の融資を行なうローン会社が管理会社の評価を常に行なっています。HOAの規則(規約のようなもの)、財務状況、管理の状況、保険内容など総合的に見て評価しています。良い管理をしている管理会社は評価が上がり、物件の資産価値も上がります。管理がずさんで陳腐化した建物は人気も落ち、売買の対象にならないため評価が下がります。投資対象として売買を頻繁に行なうアメリカ人は不動産の資産価値を高め、売却時の条件をより良くするために、自分が持っているコンドミニアムの管理をきちんと行ないます。立地条件等の良い住宅地域は管理やコミュニティ等がしっかりしていれば中古物件でも新築物件と大差なく売買対象となるからです。

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