長期修繕計画と修繕積立金について  Vol.3


~長期修繕計画と修繕積立金の歴史~

みなさま、こんにちは 川崎・横浜・首都圏を中心に活動しているマンション管理士の横倉啓子です。
今回は「長期修繕計画と修繕積立金の歴史」についてです。

昭和の時代に分譲されたマンションは、建物の維持管理について計画的に修繕工事を実施しないといけないことは理解していながら、「計画性」という概念がほとんどありませんでした。
また現在の長期修繕計画のようなものを根拠として、修繕積立金の算出はしていませんでした。
昭和時代の新築分譲の修繕積立金の積立額は、管理費の10%相当額に設定するようなことが当たり前のように行われていました。この積立額の設定方法は、全く専門性を伴わないものです。

【平成4年】
旧建設省(建設経済局及び住宅局)から、マンション分譲事業者(デベロッパー)はマンション分譲時に、購入者や管理組合に対し以下のことの周知に努めるように通達がされました。
管理業者(管理会社)は管理受託時に、マンションの実態に即した長期修繕計画の策定、これに基づく適切な修繕積立金の積立及び適時の劣化診断の実施の必要性に関すること。
そして、マンションの新築分譲において、購入者に対する「長期修繕計画の提示」と「修繕積立金の根拠」が示されるようになりました。

【平成9年】
マンション管理の分野において、旧建設省(建設経済局及び住宅局)から公表されていた中高層共同住宅標準管理規約(現在の標準管理規約)について、「長期修繕計画の作成や変更を管理組合の業務として位置付ける」旨の改正が行われました。

昭和、平成の初めに分譲されたマンションの場合、現在の修繕積立金が専門性に則って妥当かどうかを確認する必要が有ります。確認を先延ばしにしていると、修正にも時間がかかります。
でも、どこから手を付けたらいいのかわからないという、管理組合の役員の皆様は、是非お気軽にご連絡ください。

次回は「長期修繕計画の法的位置づけ」についてです。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です

CAPTCHA